共役関数の定義・例・性質をまとめてみた【数理最適化・数学】
投稿日時: 2023/03/08 17:11
最終更新日時: 2023/03/08 17:11
どうも,京大博士課程のざるご( @zalgo3 )です.
この記事では,共役関数の定義や性質をまとめていきます.
共役関数の定義
定義
真凸関数 f:Rn→(−∞,+∞]に対して
f∗(ξ):=x∈Rnsup{x⊤ξ−f(x)}
によって定義される関数 f∗:Rn→[−∞,+∞]を fの共役関数という.
共役関数の例
例
- (ノルムの共役関数) f(x)=∥x∥の共役関数は,
f∗(ξ)={0+∞∥ξ∥∗≤1∥ξ∥∗>1
である.ただし,∥ξ∥∗=sup∥x∥≤1x⊤ξは双対ノルムである.
※双対ノルムの例:
- ℓ1ノルム↔ ℓ∞ノルム
- ℓpノルム↔ ℓqノルム (ただし, 1/p+1/q=1)
共役関数の性質
よく使う性質をまとめます.他にもあれば,コメントなどで補足してくれると嬉しいです.
性質
- (分離可能な和の共役関数) f(x1,x2)=g(x1)+h(x2)の共役関数は, f∗(ξ1,ξ2)=g∗(ξ1)+h∗(ξ2)
- (スカラー倍の共役関数) (α>0)
- f(x)=αg(x) の共役関数は, f∗(ξ)=αg∗(ξ/α)
- f(x)=αg(x/α) の共役関数は, f∗(ξ)=αg∗(ξ)
- (アフィン関数との和の共役関数) f(x)=g(x)+a⊤x+b の共役関数は, f∗(ξ)=g∗(ξ−a)−b
- (平行移動の共役関数) f(x)=g(x−b) の共役関数は, f∗(ξ)=b⊤ξ+g∗(ξ)
- (全単射な線形変換の共役関数) f(x)=g(Ax) の共役関数は, f∗(ξ)=g∗(A−⊤ξ)
- (極小畳み込みの共役関数) f(x)=infu+v=x{g(u)+h(v)}の共役関数は, f∗(ξ)=g∗(ξ)+h∗(ξ)